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受け継ぐことはできない?雛人形のお下がりを使うことの是非について

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歴史と本来の意味から考える雛人形のお下がり問題

雛人形の歴史は古く、平安時代に遡ります。まだ医療が発展していなかったこの時代では、無病息災から守るためのおまじないが多く知れ渡っていました。紙や草木などで人の形をしたものを作り、これで体を撫でることで病気や災いを川に流す「巳の日の祓い(みのひのはらい)」が行われていました。これが「流し雛」と呼ばれる風習となり、お雛様の先祖になったと言われています。

またお雛様は、将来の結婚式の様子を表しています。雛人形を飾り、毎年ひな祭りに「将来、幸せな結婚ができますように」と、あらかじめ結婚をお祝いする、予祝(よしゅく)の意味合いがあります。   

雛人形を飾る意味については、こちらの記事を御覧ください。

雛人形は代々受け継ぐものなのか、またはひとりひとつなのかを解説致します。

歴史を知り、幸せになれる選択をしましょう

まず結論から書かせていただきます。雛人形の由来は諸説あるものの、歴史や起源を知った上で、選択して欲しいというのが私達の願いです。

雛人形は高級品で、生活必需品ではありません。しかし、「雛人形を飾り付けした家族との思い出が忘れられない」「友達や親戚が来てくれた」「みんなでお寿司を食べた」など、雛人形やひなまつりを通して多くの体験を生み出しています。私達は、雛人形やひな祭りを通して、幸せな思い出をたくさん作って欲しいと考えております。

雛人形の歴史や、雛人形に込められた願いや意味合いを知ることが、より楽しいひな祭りに繋がります。

歴史や背景、意味合いを知った上で納得のいく選択をしてください。「雛人形を通して、幸せになってほしい」というのが私達の願いでもあります。「お下がりはダメだ」と、強く否定するつもりはありません。歴史や意味合いを知ることで、雛人形に込められた私達の願いを少しでもご理解いただければ幸いです。

起源からお下がり問題を読み解く

雛人形はもともと、お守りの意味合いがあります。雛人形の起源である巳の日の祓い(みのひのはらい)では、紙や草木で作った人形(ひとがた)を体に撫でることで厄をそれに移していました。

その歴史から現代の雛人形も、「触ることで厄を人形に移す」という考えを継承しています。その考えから、雛人形は「お守り」としての意味合いがあります。お守りは一般的に継承するものではないことから、「雛人形も継承しない」という考え方になります。

江戸時代中期から、お下がり問題を読み解く

雛人形は江戸時代になるまでは、現代のような華やかな人形を飾る行事ではなく、あくまでも祓いの行事でしたが、江戸時代中期になると、女性だけでなく、女の赤ちゃんの誕生を祝う行事として盛んになります。江戸時代初期頃は、お殿様、お姫様の人形本体のみが主流でしたが、その飾りを彩るために様々な装飾品が追加され、現代の雛人形のような豪勢な人形飾りになったと言われています。

また、江戸時代中期頃に作られた雛人形は、結婚式の様子を表していて、「将来幸せな結婚ができますように」とあらかじめお祝いするのがひな祭りです。そして雛人形にはお殿様とお姫様がいます。お姫様は娘さんを表していて、お殿様は将来の旦那さんにあたります。

これらから、雛人形はその子の結婚式の様子を表しているため、姉妹で共有したり、雛人形を引き継ぐのではなく、その子のために用意し、予祝(よしゅく:毎年予めお祝いをしようという考え)をすることで、楽しいひな祭りを迎えたいです。

雛人形は継ぎ足しの文化だった

人形本体にお飾りを後から追加するスタイルが江戸時代では主流であり、代々お人形本体や、お飾りなどを継ぎ足し、大きな飾りになっていったようです。しかし、このような豪勢なお飾りをお持ちの家庭はごく少数に限られ、戦後になると人形業界は、そのお飾りの完成形をバランス良くセット化し、販売するようになりました。

その頃は出生数も上がり、高度成長期ということもあり、人形業界は右肩上がりの成長を遂げましたが、完成形を販売するがゆえ、「継ぎ足し」の文化を伝承することを怠ってしまったのではないでしょうか。

徳川家の雛人形からひとりひとつの文化を学ぶ

出典:徳川美術館|https://www.tokugawa-art-museum.jp/

愛知県名古屋市にある「徳川美術館」では、尾張徳川家の三世代の雛壇飾りを見ることができます。

親子三世代、それぞれの雛人形が並んで飾られている姿は圧巻で、現代の雛人形との違いを見つけるのも楽しいです。

古くから雛人形はひとりひとつの歴史があり、現代まで語り継がれています。時代ごとの雛人形やその変遷を見ることができるので、お近くに行かれた際はぜひお立ち寄りください。

詳しくは徳川美術館公式サイトを御覧ください。

日本人形協会のマンガ騒動について

倉片人形は日本人形協会に所属しており、日本人形協会から見た意見をお伝えしたいと思います。
※日本人形協会の公式発表ではありません。

出典:日本人形協会|http://www.ningyo-kyokai.or.jp

2019年1月、日本人形協会公式サイト内にて、「ひな人形や五月人形はあなただけのお守り。引き継ぐのはNG?」といった特設サイトをオープンしました。特設サイト内では、「雛人形のお下がりを飾ることは本来の意味合いから外れてしまう、本来の意味合いを知ってほしい」といった特設漫画を用意しています。

このプレスリリースが各メディアで取り上げられたことで、納得のご意見をいただく一方で、否定的なご意見も頂戴いたしました。

  • 商売のために作った作り話だ
  • 物を大切にする時代と逆行している

雛人形はもともと、紙や草木で出来たものでした。それが江戸時代の商人たちが現代のような華やかな人形に変化させていきました。これが現代の雛人形の始まりとも言われています。諸説はありますが、現代まで雛人形作者が受け継がれていることがひとりひとつの文化の表れなのではないでしょうか。

大切な雛人形を供養したくない、と考えている方もいらっしゃるかと思います。その場合、無理に供養する必要はありません。大切な雛人形はずっと飾り続け、またお子様が生まれた際には一緒に飾ってあげてください。一緒に飾ることでひな祭りがより華やかにもなりますし、なにより大切な人形に囲まれて過ごす時間は楽しいものでしょう。

特設サイトでは「引き継ぐのはNG?」というタイトルを付けさせていただきましたが、漫画や特設サイトを読んでいただくと「NG」だとは書いていないことがお分かりいただけると思います。あくまでも雛人形本来の意味合いから考えると、引き継ぐのは良くないという考えです。特設サイトを通じて、雛人形本来の意味を知っていただいた上で、それぞれの考えに合わせて引き継ぐのかそうでないのか選択して欲しいという意図がありました。

またプレスリリースでは、「雛人形のお下がりを飾ってはいけない」と言い切る表現をしてしまっていました。日本人形協会として「雛人形の本来の意味合いから考えると、お下がりを飾ってはいけない」ということをお伝えしたかった内容となります。

日本人形協会として皆様に伝えたかった内容が、各メディアを通して断片的なものになったことで、みなさまに偏った知識を提供してしまいました。

協会としては、「雛人形本来の意味合いを皆様に知っていただきたい」と考えていたのではないでしょうか。

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新しい雛人形を準備することが難しいご家族への提案

住宅事情や家庭の事情で、新しい雛人形を用意することが難しい方もいらっしゃるかと思います。そんなときどうしたら良いか、倉片人形からいくつかご提案をさせていただきたいと思います。

飾台や屏風はいらない?人形だけで飾るのもアリ!

「雛人形はその子の身代わりとなってくれる」という起源を考えると、人形そのものに価値があるように感じられます。

そのため、お殿様とお雛様の人形だけでも飾られてみてはいかがでしょうか。倉片人形では、雛飾りのセットとしての販売ではなく、単品での販売を行っています。欲しいものだけを購入することができますので、予算や飾るスペースに合わせてご購入できます。

もしその後、「やっぱり屏風や雪洞(ぼんぼり)、三人官女も欲しいよね」とお気持ちが変わった際は、またご相談ください。屏風や雪洞、小道具、人形に至るまで全て単品での購入が可能です。詳しくはお問い合わせくださいませ。

姉妹2人分も飾るスペースがない場合

雛人形はその子の結婚式の様子を表しているため、姉妹で共有しない考え方があります。本来ならば徳川美術館にあるように、姉妹で雛人形を並べて飾ることが望ましいです。

しかし現実問題、お姉ちゃんの雛人形を飾るスペースはあるが、妹ちゃんの雛人形を飾るスペースがないことは少なくありません。

そこで、妹ちゃんのお人形(お殿様お姫様)だけでも用意してみてはいかがでしょうか?いつでも妹ちゃんはお姉ちゃんのお下がりが多いものです。雛人形のように毎年お祝いで飾るものは、「妹ちゃんだけのお人形」を用意してあげると、より楽しいひな祭り体験を思い出として残せるかと思います。

コンパクトでおしゃれに飾れる新ブランド「花にしも」

近年では、サイズの小さいお人形も増えてきています。倉片人形では2020年度から新しいラインナップ、「花にしも」シリーズを展開しております。

「花にしも」シリーズは、手のひらサイズの雛人形であることが特徴として挙げられます。小さいながらも、雛人形ならではの重ねの色合いや、着物の豪華さはきちんと表現しています。雛人形メーカーである倉片人形の新作オリジナルブランドとして、各小売店様からも注目されています。

また、飾台のサイズも非常にコンパクトに飾れるのも魅力的です。

飾るスペースが限られている住宅にも、オシャレに飾ることができますので、ぜひ一度ご検討いただければ幸いです。

 

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