五月人形の適切な飾り方と組み立てる手順とは?種類と選ぶポイントも解説

五月人形に適している場所

五月人形を飾る場所について具体的に解説します。毎年良い状態で飾れるように飾る場所にも気をつけましょう。

家族の目に入る場所

昔は、床の間に飾られていましたが、最近では床の間のあるお家は多くありません。

そんな場合は、ぜひ家族みんなが集まるスペースに飾ってください。家族みんなで、端午の節句を楽しむことができるでしょう。

方角

昔は、お祝いのお飾りですので東向きまたは南向きに飾るのが良いとされていました。しかし、最近では方角を気にされない方も多くいらっしゃいます。また、ご家庭にはそれぞれ住宅事情がありますので、倉片人形では「あまり細かいことは気にせずに飾っていて大丈夫です」と、お客様にお話しています。

直射日光の当たらない場所

直射日光が当たらないように、窓から離れた場所に飾ってください。人形の色褪せや劣化を防いで、お道具なども良い状態を保てます。

風通しが良く乾燥した場所

五月人形は湿気を嫌いますので、風通しがよく、湿気のない乾燥した場所に飾ってください。しかし、極度の乾燥も苦手なので、エアコンやヒーターの風が直接当たる場所は避けてください。

五月人形の飾り方、組み立てる手順

三段飾りの飾り方や鎧兜の組み立て方は難しそうに見えますが、手順の通りに写真を見ながら行うと意外と簡単です。

五月人形の飾り方

三段飾りと鎧兜飾り(平飾り)を例に紹介します。

三段飾り

一段目には、屏風、鎧兜、向かって左に弓、右に太刀、左右に篝火(かがりび)を飾ります。

二段目には、向かって左から軍扇(ぐんせん)、太鼓、陣笠(じんがさ)を飾ります。

三段目には、左右に両立飾り(吹き流し、鯉のぼり)、向かって左から柏餅、八足台、粽(ちまき)を飾ります。

鎧兜飾り(平飾り)

鎧兜を中心に置き、向かって左に弓、右に太刀を飾ります。

鎧の組み立て方

1.佩楯(はいたて)を飾る

佩楯の中心を櫃(ひつ)の中心に合わせ、佩楯の帯の両端を櫃のふたに挟み込みます。

2.胴を飾る

胴の全面についている草摺(くさずり)の下が前に垂れるようにやや手前に置きます。

3.面頬(めんぽう)を置く

芯木の溝に紐をひっ掛けます。

4.鍬形(くわがた)を差して兜を飾る

兜を面頬との隙間があまり開かないように飾ります。面頬が下がりすぎる場合は兜を外し、紐で調節してください。

5.脛当(すねあて)と毛沓(けぐつ)を置く

写真を見て、左右間違えないようにしましょう。

6.完成

最後に、全体のバランスを整えたら完成です。

兜の組み立て方

1.櫃に芯木を置く

櫃の中心よりやや手前に置きます。

2.袱紗(ふくさ)をかぶせる

絵柄や家紋がある場合は正面にします。

3.鍬形を差す

竜頭や前立てを差すタイプもあります。

※鍬形の左右を間違わないようにしましょう。これは間違いです!

4.兜をのせたら完成。

兜に傾きがないかなどバランスを整えたら完成です。

五月人形は出しっぱなしでも良いのか

五月人形も雛人形同様、出しっぱなしは良くないとされています。季節の飾りということもありますが、一番の理由は五月人形はお子様の身代わりだからです。厄が入った人形は出しっぱなしにするべきではありません。

鎧や兜は、戦で使う戦う道具ととらえることもありますが、武士にとって鎧や兜は身を護る大事な装備だったのです。身を護ってくれる「お護り(お守り)」ということです。

では、五月人形は鎧兜を飾りますが、なぜ人形というのでしょうか。もともと五月人形は、金太郎や桃太郎などの人形をメインに飾り、鎧兜が付属品でした。次第に、鎧兜が魅力的やカッコ良いという理由から鎧兜がメイン飾りとなっていったのです。

五月人形の種類

五月人形は、男の子の誕生を祝うとともに、無事に成長し、強く、立派な男子となるようにとの願いを込めて飾る鎧兜などの「内飾り」と、神様に男の子が生まれたことを知らせる目印として、また男の子がどんな環境にも耐え、立派な人へと成長するよう「立身出世」を願って飾る鯉のぼりの「外飾り」があります。ここでは、「内飾り」の種類についてご紹介します。

鎧飾り

迫力があり豪華な五月人形です。鎧を置く飾り台には平飾り、段飾り、組み立て式で高さを出した高床台があります。

兜飾り

小さなサイズから、迫力のある大きなサイズまでありますので、飾る場所のスペースに合わせて選ぶことができます。兜を置く飾り台には、平飾り、段飾り、組み立て式で高さを出した高床台があります。

鎧着大将飾り

凛々しいお顔や、かわいらしいお顔の人形に鎧を着せてあります。

収納飾り

兜や道具を飾り台に収納出来るタイプです。保管しておく場所にコンパクトに収めることが出来るので、近年人気があります。飾り台は高さがあるので直接床に飾ることも出来ます。小さいサイズから、実際に被ることの出来るサイズの着用兜まであります。

ケース飾り

鎧や兜、鎧着大将がケースの中に入ったタイプです。中身は固定されていて出し入れが非常に簡単です。

五月人形の種類についてはこちらのページでも詳しく解説しています。

五月人形を選ぶポイント

長期間にわたって毎年飾る五月人形です。値段、見た目ともに納得し、飽きのこない五月人形を購入していただきたいと思います。

サイズ

まず大事なのはサイズです。必ず飾りたい場所の寸法を測っておいてください。いざ飾る際に、飾りたい場所に入らなかったら困ってしまいます。

また、お子様が赤ちゃんの頃、歩くようになった頃、もっと成長していく過程でお家のレイアウトも変わってくると思います。そのような変化も考慮してサイズ選びをすると良いでしょう。

予算

勧められるがままに高額な五月人形を購入することは後悔につながります。予め予算を決めておき、お店側に伝えましょう。

商品についてよく知ろう

自分が購入する五月人形について良く知っておきましょう。正面からだけでなく横から見てみたり、後ろから見てみたりすることによって、どのような作りをしているのかがわかります。

全体像だけでなく、鎧兜の色目の鮮やかさ、威し(おどし、山を持った波状の板を紐でつなぎ合わせ甲冑にすること)の編み目の美しさ、金物の輝きと細工など細かい部分も見ていただきたいです。

専門的な知識を持った販売スタッフに、使っている材料や材質なども聞いてみてください。そうすることによって、購入する五月人形への思い入れも強くなると思います。

信頼できるお店選び

こちらのページで詳しく解説しています。